日本では新しい年を迎えましたが、ベトナムでは2024年が本格的に始まっていません!その理由は、毎年ベトナム政府の発表をもとに『テト』(旧正月)が決まるからです。今回は日本ではあまり馴染みのないテトについてご紹介します。

  テトは旧暦による新年の始まりであり、その時期は年によって異なりますが、通常は太陽暦の1月19日から2月19日までの間に位置し、2024年は2月10日が元旦になりました。テトはベトナム人にとって年間で最も重要かつ盛大な祭りであり、この機会に学生や社会人は通常7日から10日間の休暇を取ります。故郷で家族や親戚と新年を過ごす為に帰省し、1年で最もリラックスできる特別な機会でもあります。

  テトは3日間ほどしか続きませんが、約1週間前から準備を行います。テト期間中はお店、市場、スーパーマーケットが閉まるため、人々は服や装飾品、食料品などを購入します。食卓はバインチュン(笹巻き)、肉ハム、揚げ春巻きなど伝統的な料理を食べます。また、家では新年に向けて大掃除をして、装飾品や桃の花、金柑の木などが飾られます。

テト市場
桃の花(左)と金柑の木(右)
バインチュン(笹巻き)
テトに仏壇に備えるご飯・料理

 テトの日は、晴れ着を着て親戚や友達の家を訪れ、新年の挨拶を交わします。ベトナム人は新年に最初に家を訪れた人が”その年の家族の運命を左右する”と信じているので、元旦の朝に他人の家には無断で入らないように注意が必要です。

また、新年と幸運を願って赤い封筒のお年玉を贈ります。年長者は子供たちに幸運を願ってお年玉を渡し、子孫は家族の中で最も年上の方々に長寿を願いお年玉を贈ります。最近では友人、両親、近所の人にも贈ることが一般的となっています。さらに、健康と富を祈るために寺院などを訪れたりします。

お年玉

  テトは一年の中でも最も楽しみで幸せな時期です。お店が閉まっているため旅行はおすすめできませんが、ベトナム在住の方であれば、ぜひ一度はテトの雰囲気を楽しんでいただけたらと思います。