初詣は、私たちベトナム人にとっても伝統的な行事であり、新年または「テト」(旧正月)と呼ばれる特別な時期の中において重要な儀式の一つです。

有名な寺院や地元の寺院で行われることが一般的で、仏像の前で祈りを捧げ、頭を下げます。先祖に対する感謝の念や尊敬の意を示すだけでなく、幸運や平和をもたらすとも信じられています。また、精神的な高揚感を得られることや、家族が集まり喜びを分かち合う機会にもなっています。

初詣では、伝統的な衣装である「アオザイ」を着用します。アオザイは、着ることで特別な日にふさわしい装いとされており、重要な行事に敬意を表す意味が込められています。ちなみにアオザイの“アオ”は「上着」の一種を意味する中国語で、“ザイ”は「長い」を意味するベトナム語です。またアオザイは、ベトナム北部の発音であり、南部では“アオヤイ”と発音する人もいます。

寺院へ行く時には「新鮮な花」と「線香」を持参し、仏像や神聖な存在に供えます。これは尊敬と感謝の気持ちを表す意味があります。 また寺院では、祈りや経典の朗唱など様々な儀式に参加します。これは平和と慈悲の念を求める機会であり、因果応報についての意識を高めるものでもあります。

なお、ベトナム人は日頃から家族で寺院を訪れ、お供え物として食べ物などを持参し、寺院のコミュニティに寄与をします。これにより寺院は新年や「テト」(旧正月)の時期に備え、地域社会に奉仕できるようになります。

年初めの寺院への訪問は単なる宗教的な儀式だけでなく、感謝の気持ちや尊敬の念を表す手段としても重要です。家族全体が感謝の気持ちを示し、幸せで満ちた新しい年を迎えるための機会になっています。