日本に15夜の風習があるように、ベトナムにおいても伝統的な風習の一つである『中秋節』があります。
旧暦8月15日に行われ、今年は新暦で9月10日になります。ベトナム語で”テト・チュン・トゥー”と言います。中秋節は「子供の祭り」「集まりの祭り」または「月見」という別の呼び方もあります。
中国から伝わった節句で、中国の中秋節とよく似ているところがあり、満月は喜び事・集まり・団結を表し、中秋節の時には月が一番丸い状態となることから、ベトナムでも月を愛でる日とされ、お月見や豊作を感謝する伝統的な風習となっています。
ベトナム人はどのように中秋節を祝うかといいますと、定番は『提灯』と『月餅』です。
まず『提灯』ですが、中秋節の1か月ほど前から、旧市街の”ハンマー通り”には様々な形、サイズ、色の提灯が飾られると同時に様々な用品が販売され、多くの人で賑わっています。
最近の提灯は、キャラクターの形をしたものや音が出るものなど色々とありますが、ベトナム人に最も馴染んでいるのは、下の写真のような”サオ・ナンム・カンク”で、価格は1万ドン(約50円)ほどです。
『月餅』は、フルーツなどとともにお供え物にする風習や、親戚や取引先などお世話になっている方々にプレゼントとして贈る習慣があります。
月餅はベトナム語で”バイン・チュン・トゥー”と呼び、小麦粉を焼いたものと、少しもちもちした米粉から作られる生地の2種類があり、形は四角と円形があります。
□四角 ・・・地球を表し、自由と幸福のイメージ
○円形 ・・・月を表し、十分に満腹というイメージ
ベトナムでメジャーな月餅のブランドは 『Kinh Do』『Bibica』『Maison Moon cake』などで、中秋節が近づくと、歩道などに多くの出店が見られるようになります。価格は2個で10万ドン(約500円)ほどから、ブランドや中身によって変わってきます。最近では、スターバックスでも一部の店舗で月餅を販売しています。
日本の15夜とは異なる点があると思いますが、どちらも大切な風習として今でも続いています。海外に出ると、日本とは異なる点が多々あり、日本の風習について改めて考える良い機会になると思います。
中秋節の時期にベトナムにいらした際には、月餅を食べながら月夜を楽しんでみてください。